期限1日前の逆転リースバック(その1)
こんにちは、リースバック相談員の浜崎です。
年末に向けて自宅で普段手の回らないところの掃除を始めました。いつも気にはなっていても、時間がないからとか理由をつけて後回しにしていたら、実際に掃除をする段になって逆に汚れが落ちず、もっと早くやっておけば良かったと毎年後悔しています。
住宅ローンやその他債務の問題も、気にはなっていても見ないふりをしていると、いざ直面した時に、手の施しようがない段階になっていることもあります。気になったら、まだ初期段階でもその問題に着手することが大事だなと改めて思いました。
さて、今回は入札期間中に相談があり、入札終了間際でリースバックが成功できた方のお話です。
競売の取下げは制度的には開札日の1日前まで可能です。しかし、「可能」と実際に「出来る」は別物です。当然、債権者が取下げに応じてくれないとダメですし、購入者が見つかり、売買が完了しなければなりません。
特にリースバックは、通常の売買より審査や賃貸借の手続きがあるので時間が必要になります。
今回の相談者は埼玉県にお住まいの鈴木玲子さん(仮名)で、ご主人と宗教法人を30年以上運営しておられます。主に説法会を中心に行っており、信者の方の心のケアをされています。
数年前、鈴木さん達は、宗教法人の乗っ取りを画策する会社に狙われ、当時所有していたお寺を乗っ取られてしまい、さらに多額の債務も負ってしまいました。
それからは、お寺を持たず自宅等で説法会を行って、細々と運営しながら当時負った莫大な借金を少しずつ返済して来ました。しかし、信者の数は少しずつ減少し、債務の返済も少しずつ滞り始めました。
遅れながらも返済を続けていましたが、数か月支払いが出来なくなった時、ついに競売の申し立てをされてしまいました。
鈴木さんは、何とかお金をかき集めて競売の取り下げを債権者に懇願しましたが、債権者としては全額弁済以外は一切受け付けない方針でした。
困り果てた鈴木さんは、弁護士などあちらこちらに相談をしましたが、自宅を守るには全額返済しかなく、しかも自宅を売却するしかないという方法を言われるだけでした。
自宅を失えば、生活の場も宗教法人としての活動の場も失われ、それだけは避けたかったのです。
競売の申し立てから数か月後、いろいろと情報を集めていた鈴木さんに信者の一人からリースバックという方法があることと、当社がそれを行っているという情報がもたらされました。
これしかないと思った鈴木さんは、すぐに当社へ相談にいらっしゃいましたが、その日は入札期間に入ってもう3日も経過していたのです。
(つづく)