競売3日前にリースバックに成功!家族で住み続けられるように。
こんにちは。リースバック専門相談員の浜崎です。
先日、競売の3日前にリースバックが成立したケースがありました。
最初にアンケートをご紹介したいと思います。
埼玉県にお住まいの稲川和彦さん(仮名)は、
奥さんとお子さん3人の5人家族です。
仕事は運送会社の物流倉庫で夜勤を担当し、夕方から
翌朝まで荷物の仕分けと移動を行っています。
自宅を中古で購入してから、仕事も子育ても夫婦二人で
一生懸命に頑張ってきました。
その甲斐あって、お子さん達も全員成人し、アルバイト等で
少しずつ家計の補助をしてくれるようになりました。
生活にゆとりが出てきた頃、稲川さんは、それまでずっと我慢していた
パチンコに通うようになりました。
すると、最初は勝っていましたが、次第に負けが続くようになり、
それを取り戻そうと、さらに多くの資金をつぎ込むようになりました。
そして、気付くと家計の為に取っておいた資金にまで手を出して、
とうとう住宅ローンも払えなくなってしまいました。
それでも家族に打ち明けられずにいました。
とうとう、裁判所から「競売開始決定通知」が届きました。
全てを稲川さんから聞いた家族は、自宅が競売にかかり、
いずれ出て行かなければならないという事実に急に直面し、
混乱と不安で大騒ぎになりました。
なにか打つ手はないものかと稲川さん家族は色々と調べました。
そして、当社にご相談くださいました。
最初、稲川さんから電話をいただいた時、稲川さんは憔悴して、
声は暗く、「自分が何をしたら良いか分からない」と言い続けていました。
しかし、今までの経緯等を聞くうちに、稲川さんは泣き出し、
「これからも家族全員でこの家に住み続けたいんです!」
と今の素直な思いを言ってくれました。
そして、初めてお見えになった時、稲川さんの付き添いは
仕事でこれなかった奥様に代わり、長女の久美子(仮名)さんが
いらっしゃいました。
これからどうしたいか久美子さんにも聞くと、
「私達子供も働いて協力し、全員で力を合わせてこの家に
住み続けたいんです!」
とお父さん以上に力強く言ってくれたのです。
その真っすぐな眼差しに、私は絶対に何とかしてあげたいと
強く思いました。
今回、稲川さんのご自宅は埼玉県の中でも外れの方にあり、
市場価値はかなり低いものと推察されました。
評価が低い分、任意売却もあまり高くならず、
リースバックするには、家賃も手頃な金額に収まり
そうでした。
しかし、一番のネックは、市場価値が低いと援助してくれる
投資家が逆に見つかりにくいというジレンマでした。
ある程度債権者との条件交渉も上手く行き、あとは
投資家が見つかるだけでした。
何とかしてあげたいし、投資家が見つかれば何とか
なりそうなのに…
それから沢山の投資家に提案し、いろいろな交渉を
行いましたが、やっぱりどうしても市場価値の問題に
行きあたり、協力してくれる投資家が見つかりません。
そして、投資家探しに奔走しているうちに、ついに入札開始
まであと2週間になりました。
正直、これはもう間に合わないのではという思いも心に
よぎったある日、奇跡的に今日してくれる投資家が見つかったのです。
その方は、何度か取引をしたことがありました。
今回は最初お断りをされましたが、私があまりに何度も相談するので、
「浜崎さんがそこまで必死なら、私も今回はリスクを取って協力しましょう。」
と言ってくれたのです。
やはり最期まで諦めてはいけないものです。
それから、諸条件の交渉、契約等を急いで行い、
最終的に決済が終わったのは、開札の3日前でした。
決済には稲川さんご夫妻と長女の久美子さんも
いらっしゃいました。
決済が無事に終わった後、3人は抱き合って泣いていました。
私もその姿を見ながら、熱いものがこみあげて来ました。
稲川さんは、確かに自分のせいで自宅を失う事になりました。
しかし、大切な家族を失う前に自分の非を家族に
打ち明け、何とか家族を失わずに済みました。
数年後、久美子さんがローンを組んで自宅を買い戻す予定もあり、
今それに向かって家族一丸となって一所懸命がんばっているところです。
もし、何か自分のせいで失敗しても、稲川さんのように、
勇気を出して家族に、専門家に相談することで、
無事に解決する可能性があります。
まずは、第一歩。
奥さんのため、お子さんのため、ご両親のため。
あなたの決断が家族を救います。
おわり