店舗・工場の活用事例
リースバックは、自宅や店舗を活用して現金を受け取ることができることから、“事業資金”や“運転資金”の調達方法として有効なシステムです。
実際、「当面の資金が捻出できれば、その後の事業が軌道にのる」という場合にリースバックを活用する自営業者の方々が多くいらっしゃいます。
自宅を活用するケースの他に、店舗兼自宅として1階でお店をしている、または、工場・作業場などを所有している方にとっては、今後もその場で事業を続けられるので、リースバックの恩恵を最も受けることができると言えます。
事例① 1階で喫茶店をしているがリースバックで営業を続けたい
- ■ご相談者
- 神奈川県川崎市
蓮池純一さん(59歳)
自営業
ご相談内容
今持っている建物が、1階が喫茶店、2階が自宅になっています。喫茶店は夫婦で切り盛りしており、常連さんが来てくれるので一定の売り上げはあるのですが、材料費が高騰して収支は±0です。また、銀行から借りた借金を毎月10万円返しています。
そのため、夕方には店を閉めて私がアルバイトをして、なんとかやりくりしています。
ただ、年齢的にもダブルワークがつらく、このままこの状態を続けていくのは現実的ではありません。どこかで、一旦区切りをつけたいと思っています。
できれば喫茶店を続けていきたいのですが、何かいい方法はありますか?
リースバックでの解決
■担当/浜崎
自営業の方で、仕事を終えた後にアルバイトをしている方は少なくありません。中には、ほとんど寝ずに明け方までアルバイトをして仮眠をとった後に、自分の事業をするという方もいます。
40代くらいまではそれでも頑張れるかもしれませんが、60代にもなると体力的に簡単ではなくなります。
蓮池さんの場合、「今はまだ大丈夫だけど、この先はいずれ無理になる」ということで、今のうちに対処しておこうということでした。また、お話していく中で、喫茶店を続けることこそ蓮池さんの生きがいということもわかりました。今はアルバイトのために早めに店を閉めている状況です。
そこで、リースバックで店を続けながらも当面の資金を受け取ることを選ばれました。
その結果、銀行の借金をすべて返し、固定資産税の支払い義務はなくなりました。
これだけでもずいぶん楽になったようです。ただし、リースバックをしたら家賃が発生することになります。
そのため、毎月の家賃をできる限り低く抑えるために、受け取る資金を少なめにしました。受け取る資金と家賃は、相反するものですので、どちらを優先するか事前に十分に考慮しておく必要があります。
甘く考えていると、却って苦しい状況になる可能性もありますので、蓮池さんはしっかりとシミュレーションをして計画的にリースバックを利用されました。
事例② 相続した店舗兼自宅をリースバックして設備投資したい
- ■ご相談者
- 京都府向日市
平野朱美さん(46歳)
自営業
ご相談内容
両親から相続した自宅でネイルサロンをしています。お客さんの口コミで徐々に広がり、まずまずの売り上げがありますので、今のところなんとか黒字です。
お客さんのリクエストに応えるため「リクライニングソファー」「フットバス」「UVライト」などの設備投資をしたいと考えています。ただ、それらを購入する余裕はありません。
そこで、店として使っている自宅を活用して購入資金にできればと考えていますが、可能でしょうか?
リースバックでの解決
■担当/浜崎
相続した不動産をリースバックで上手く活用すれば、無理のない資金調達が可能になります。なぜなら、多くのケースで、相続した不動産は担保がないからです。担保がないというのは住宅ローンなどが残っていないということです。
平野さんのように相続した自宅を店として利用しているのであれば、売却金額をほぼそのまま設備投資に使えます。(売却にかかる費用は発生します。)
実際、平野さんはリースバックを実行して設備投資をしました。
ただ、リースバックを実行する前に、店の売り上げ、経費、そして利益を細かく出して、月々の家賃を決めたうえで売却価格を設定しました。これにより、平野さんはこの先も無理なく家賃を支払うことができ、設備投資も実現できました。