離婚の前後の活用事例

リースバックのケース(活用事例)

離婚の前後での問題のひとつに、「マイホームをどうするか」という問題があります。

例えば、
「夫と妻、どちらが住むのか」
「誰が住宅ローンを払うのか」
「子どもの学校区はどうするのか」

など、離婚するうえでは避けては通れない問題です。

この問題を解決する手段として、リースバックを活用する方法があります。

離婚の際のリースバックの活用方法として、よくあるケースが「夫は別の場所で賃貸マンションを借りて、妻と子どもは住み続ける」というケースです。

このケースでネックとなるのが、夫が、「①賃貸マンションの家賃」と「②住宅ローン」の2重払いになってしまうということです。だからといって、妻が一人で住宅ローンを返済し続けるというのも困難であることがほとんどです。

そこでリースバックなら、売買代金をコントロールすることで毎月の支払いを抑えることが可能になります。その結果、現金を手元に残したうえ、毎月の支払いも無理なくできる状況になることが可能になります。

それでは、実際に離婚の前後のリースバックの活用事例を紹介します。

 

事例① 離婚後は妻と子どもを住み続けさせたい

■ご相談者
大阪市旭区
藤本史則さん(46歳)
自営業

ご相談内容

自分で会社を経営しているのですが、その事業資金として数カ所から借金しています。なんとかギリギリで支払いはできているのですが、そんなときに離婚の話が出てきました。

理由はいろいろありますが、恥ずかしい話、私の女性関係とギャンブルに嫌気が指したようです。

ただ、二人の子どもにはできる限り迷惑をかけたくありません。大学受験生の息子と中学2年生の娘です。多感な年齢の二人のためにも、なんとか妻と三人に住み続けさせてあげたいのです。

家族のイメージ

そうは言ったものの、私も出て行った後は次のアパートの家賃を払わないといけないので、住宅ローンと両方を払うのは、正直厳しいです。しかも、会社の借金の返済もありますから・・・。

リースバックなら、住み続けさせてあげることはできるのでしょうか?もし、できることなら、余ったお金で会社の借金もある程度返してしまいたいと思っています。

リースバックでの解決

浜崎
■担当/浜崎

藤本さんの場合、幸いなことにまだ奥さんとはお話し合いができる関係でしたので、私と藤本さんと奥さんの三人で今後のことを一緒に話し合いました。

正直な話、はじめて奥さんにお会いしたときは、怖い印象でした。“夫側の見方”と思われたのでしょう。

ところが、2回、3回と話し合いを重ねていくうちに心を開いていただけるようになりました。後日聞いたところ、やはりはじめは、藤本さんの見方には弱みをみせないでおこうと固くなっていたようです。ただ、本心としては「先行きが不安で不安でしょうがなかった」とのことでした。

藤本さんのケースで解決のキーとなったのは“家賃をいくらにするか”“現金をいくら残すか”という2点です。

該当の物件が最寄り駅から徒歩7分という立地で、比較的大きなマンションであったこともあり、流通性が十分あると判断できました。そのため、売却金額1,860万円、毎月の家賃11万円でリースバックができることになりました。

この条件だと、住宅ローンの残りがおよそ1,300万円でしたので、それを差し引きすると約500万円を現金で受け取ることができます。藤本さんはこれで、事業の借金も十分返済できるということで喜んでいただけました。

また、毎月の家賃については、パート勤務の奥さん一人では重荷になるので、藤本さんが毎月5万円を負担することで折り合いが付きました。それに加えて子どもが成人するまでの養育費もできる限り払うという約束です。

藤本さんとしては、事業の借金がほとんど返せたので、その分は子どものためにお金を使ってもらいたいということでした。

私としても、何度も家族会議に加わらせていただき、お子さんの顔も何度も見てきたので、無事にリースバックができて本当に良かったと思います。

事例② 夫と離婚するけど、子どものために住み続けたい

■ご相談者
横浜市都築区

岡麗子さん(42歳)
パート・主婦

ご相談内容

現在住んでいる自宅は築30年のマンションです。

夫と離婚することになりました。離婚後は夫が出て行き、私と中学1年生の息子・小学5年生の息子の3人でそのまま住みたいと思っています。というのも、私が生まれてからずっと横浜で暮らしてきており、子どもたちもずっとこの横浜で育ってきたので、今の環境を変えたくないのです。

マンションのリースバックのイメージ

ただ、毎月の住宅ローンが15万円あります。さすがに私一人ではこの金額は払えません。夫は離婚後はこのマンションを売りたいと言ってます。

私の親が近くに住んでいるので、少しは援助してくれます。リースバックで毎月10万円までで住めるようにはならないでしょうか。

リースバックでの解決

浜崎
■担当/浜崎

お子さんのことを想ってリースバックをご希望されるお父さん・お母さんの気持ちは、私も2人の子どもの親なので、すごくわかります。

岡さんのケースですと、岡さんもご主人も、「マンションを売却する」という点では一致しています。

そのあと、そのまま住み続けるようにできれば、岡さんとしてはご希望通りになり、また、ご主人としても問題はありません。

クリアする一番の壁は、「毎月の家賃を10万円以下にすること」です。

横浜の場合、人気のエリアということもあり、通常の賃貸マンションの家賃もあまり極端な値下がりはしません。そのこともあり、岡さんは家賃のことを気にされていたようです。

実際に私が査定したところ、売却金額1,300万円~1,800万円が良いと判断しました。この金額の幅の中で、「家賃」と「現金の受け取り金額」を調整します。

岡さんの場合、”家賃を10万円以下にする”というはっきりとしたご希望がありましたので、家賃を最優先にご提案しました。

【ご提案内容】
 ・売却金額:1,400万円
 ・家  賃:9万円
 ・受取金額:約400万円

 ※住宅ローンが残り900万円ほどあり、売却金額から完済。

この内容だと、受取金額400万円をご主人と200万円ずつ分け合えば、当面の生活資金としても十分な金額になります。

結果、岡さん、ご主人とも、このご提案内容でリースバックすることにしました。ただ、受取金額の400万円はすべて岡さんが受け取ることになりました。ご主人が、岡さんやお子さんの今後の生活を心配してご判断されました。

今回の岡さんのリースバックは、ご主人の協力があったため、スムーズ、かつ、満足していただける結果となりました。私としても、良いご提案ができて、本当にやりがいが感じられるリースバックとなりました。

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